スーコ

三連休の終わりの月曜日は朝から雨。
ナビの散歩もお預け。

朝からRWCの録画三昧。
トンガvsルーマニア、その後は、ポルトガルvsフィジー。

来週の日曜日からの準々決勝が楽しみ。
日曜日は、アイルランドvsNZ、月曜日は 南アフリカvsフランス。
いずれも決勝と言ってもおかしくない顔合わせ。
リーグワンで親しみのある南アフリカに頑張ってほしいです。

イラン、トルコ、モロッコをロバと一緒に旅をする旅行記。
気ままで自由な旅。ただ、気楽なだけではなく、嫌がらせを受けたり、
襲われそうになったり、官憲に妨害を受けたりと、
ロバと一緒に歩くのもいろいろと大変です。

旅の生活を羨ましく思うとともに、旅の厄介ごとも身につまされ、
旅を追体験している気分になれます。

動物とイスラム地域を歩く本というジャンルがあれば、
犬と一緒にアフガニスタンを歩く旅の本と
ともに推したい旅行記です。

ラスト世之介

近所の本屋さんの入ってすぐのところに、
hanakoの吉祥寺特集と並んで平済みされていました。

毎日新聞に連載されていたことを知らなかったので、とてもうれしい驚きの本。

横道世之介は38歳になりました。住んでいるのは、「ドーミー吉祥寺の南」。
吉祥寺駅からバスで調布と三鷹の境という設定で、
ああ、あの感じと、情景が目に浮かびます。

9月から始まって8月までの、ドーミー吉祥寺の南の1年間。
ただ、物語は、過去をさかのぼり、主人公たちの親が子供を持つ時の
祈る思いの情景、世之介と二千花の過去と行ったり来たりします。

人生の中で、こんな日があったから満足だと思える大満足の日。
何気ない大満足の大切な日が描かれます。

気持ちのいい、初夏の夜のような気分にれれます。

気持ちよく読み進めていると、残りが少なくなっていくのが
なんとも悲しく、もっともっと読みたくなる本です。

朝ぼえ

ナビが吠えるのは、誰かが玄関に来た時と、早朝。

朝は、「トイレしたよ、シーツ代えてくれ」アピールが多いのですが、
たまに何もしていない時に吠えます。

散歩連れていけアピールなのか、起きたのでケージ出せアピールなのか。

もう少し寝たいところを我慢して、吠えやむのをちょっとまってから
朝の散歩。

外に出ると、あちこち臭いをかいで、なかなか歩きません。

昨日からGWですが、仕事はカレンダー通りなので、
今週末は普通の週末。(連休中も特に遠出はしない予定ですが。)

最近読んだ2冊。

ナッジの共著者が書いた、ナッジと対になる、スラッジについて書いた本。

ナッジは「肘でそっとつく」という意味で、人の行動を制限するのではなく、
最終決定は本人にゆだねる形で、特定の方向に誘導しようとする取り組みですが、
スラッジはその逆。

ぬかるみ、という意味で、やりたいことをやるのを阻む、行きたいところに行くのを
阻む摩擦です。具体的には、行政手続きによる山のような書類への記載だったりします。

著者は米国政府での経験から、スラッジの必要性は認識するものの、
いかにスラッジを削減する設計を行い、目的を達成するのか、ということを
米国の例で説明します。

スラッジの概念自体は興味深かったのですが、アメリカの政策の事例、
今後の米国での提言で、内容が実務に寄りすぎてちょっと退屈。
あと、単行本としては、薄すぎかな。

「怖い絵」と「へんないきもの」の2人の著者が、
怖くて、へんな生き物の絵について語った本。

ルーベンス、クラナッハから、メーリアンまで。
軽妙なやりとりで楽しく読めます。

空路の旅人

読み始めると止まらず一気に読んでしまった、沢木耕太郎の旅本。

旅本と言っても「深夜特急」のような自らの旅ではなく、第2次世界大戦末期に
内蒙古から敵国中国に密偵として潜入、チベットまで徒歩でたどり着き、
そこから、日本の敗戦を知り、インド、ネパール、さらにはパキスタンまで
足を伸ばそうとしながらも、インドパキスタン戦争により行けず、ビルマへ
行こうとしていた時に、捕まり日本に戻ってきた西川十三の旅を描いたノンフィクション。

西川自身の著書である「秘境西域八年の潜行」。
大幅にカットされたこの本を補うために、運命のごとく巡り合った 3,200枚の生原稿。
それを西川と著者との50時間近いインタビューなどから再構成した旅の話です。

日本人と分かると捕まるので、内蒙古人のラマ僧として、
敵軍、匪賊、寒さなどに耐えながら、見知らぬところを旅していきます。

過酷な環境ながら、前向きな思考、勤勉で真面目な生き方により、人を惹きつける
西川の魅力が旅を豊かなものにしています。

この本をベースに「秘境西域八年の潜行」を読むのが楽しみです。

犬のいる暮し

13年一緒に過ごしたハラスがなくなってから、
5年過ぎ、再び柴犬を迎えた中野先生。

2頭目マホ、その次のハンナと暮らしながら、犬と
人とのことを綴った本です。

マホが来た時の著者は60歳。
新興住宅地は一足先に高齢化が進み、語られる話も、
犬と老人です。

犬に対する愛情は相変わらず強いのですが、
ハラスの時に比べると、淡々とした日々に
老いを強く感じされられます。

犬本

最近よく読む犬の本。
題名は知っていたものの読んでいなかった本です。

著者は47歳にして初めて犬を迎えます。
子供はいない夫婦が柴犬の子供を育てていく13年間。

子供のようでありながら、言葉が通じないだけに、
一層相手(犬)に対し気を使い、愛情を注ぎます。

本の中でのハイライトの雪山での失踪事件では、
胸が蓋がる思いがひしひしと伝わってきます。

犬の話で、どうしても避けられないのが、その別れ。
人よりもかなり短い命の時間。その時を迎える辛さ、
悲しさが胸を打ちます。

犬バカ

最近かわいさを増してきたナビ。

正確に言うと、ナビがかわいくなってきたのではなく、
こちらの犬バカ度が進んだ、ということになりますが。

誰かが返ってくると、玄関まで走ってお出迎え。
喜びを表して、後ろ足立ちして、なめてきます。

座ると寄ってきて、足の上で居眠り。

まったく、かわいいやつです。

犬バカを満足させる、作家が犬について書いた28の作品。


そうそう、と思わずうなずいてしまう話、

切なくなってしまう話ばかり。


また犬バカ度が深くなりそうです。

3兄弟

江戸時代の架空の神山藩を舞台にした時代小説。
3人の兄弟が主人公。
青春真っ只中の3男が大目付を務める家に婿入りし、
そこから政争に巻き込まれていきます。

読んでいてすがすがしくなる心地よい文章。
その中で展開される広どす黒い権力闘争。
黛家の3兄弟に心が熱くなります。

兄弟の絆の物語である一方、子を持つ親の物語です。

「子と申すは、よろこびだけでなく、数多のくるしみも連れてきおる。
が、くるしみの多い子ほど、いろいろな事を覚えておるものでな」
という清左衛門の言葉が心に残ります。

神山藩は、「高瀬庄左衛門御留書」でも出てきますが、時代も違うので、
主人公が交錯するところはありません。

砂原浩太郎のデビュー作。
村井長頼という前田利家の家臣が主人公の歴史小説。
無骨で要領がよくない長頼長頼が戦場の中で、
優れた主君に仕えながら成長していきます。

読んでいて気持ちのいい文章はデビュー作からでした。

野球本

久しぶりに手に取った重松清。
草野球の「ちぐさ台カープ」に集まる人々の人生を描いた小説。
リアルで、ユーモラスな語り口で、心が温まります。

辛くて、楽しいことばかりではないけれど、頑張っていこうという気になれます。

旅行会社から阪神球団に人事異動して、球団社長になった野崎勝義、
オーナーの息子から誘われて、マツダをやめてカープに入った鈴木清明。
この2人の球団フロントに入ってからの奮闘を描いているのが、
読売新聞から巨人の代表になって、ナベツネ批判で追われた清武英利。

野球人ではなく、運営側の管理者としての貴重な話が多く、
その時代を知っている人にはとても興味深く読めます。

鈴木本部長は、まだ現役(?)で、今年の秋山入団にも活躍しています。

プロ野球ももう終盤。
残り少なくなりましたが、まだ観戦予定はあるので、
もう少し応援を楽しめます。

虫だらけ

奇人と言われた昆虫学者が、世の中に毒づきながら虫を探して
井戸水を汲み上げ、土を掘ります。

世の中の欺瞞を指摘しながらも、自分の考えも客観的に批判しながら
虫への愛が伝わってきます。

取り上げられる虫も、ネジレバネ、がロアムシ、メクラチビゴミムシと
いった一般には知られない虫ばかり。
新潮社のサイトで大きな写真が見られるので、本を読みながらサイトを見るのが
おすすめです。

こちらも同じ著者の本。
著者の虫好きの範囲の広さには驚かれされます。
アリヅカコオロギからシャクガ、カワゲラまで、珍しい虫に対する
熱量は尋常ではありません。

ザリガニの鳴くところ

「ザリガニの鳴くところ」とは、生き物が自然のままに生きる場所。
そこで家族に捨てられて一人で住む少女。
「湿地の少女」と呼ばれて、人との交わりも少なく、自然の中で育っていきます。

著者は動物学者だけあって、自然の描写が細やかで美しく、沼地とは違う湿地の
素晴らしさが、丁寧に描かれます。

自然の中で生きていきながら、一人では生きられず、幸せな時間は長続きしません。

健気で聡明に育った主人公が、幸せになってほしいと読み進めていくので、
つらい部分はありますが、読み終えた後に、
主人公の強さと、心地よい湿地の自然の余韻が残ります。

沈みかけ


ミステリー、ホラー系の短編11篇が収録されているアンソロジー。
小説の名義は4名ですが、同一人物。
軽くてほほえましいものから、かなりグロいものまで。

好きだったのは、「パン、買ってこい」と「二つの顔と表面」。
後者は人面瘡が語っていく、かなり変わった物語。

ただ、一番魅力的なのは表紙。
思わず手に取ってしまう魅力的な絵です。


ちがう生き方

50を前に妻と息子を亡くした下級武士の高瀬庄左衛門。
群方という村を廻る地道な仕事に励み、手慰みに絵を描く毎日。
過去にとらわれながらも、矜持をもって生きていく姿が、静謐な文章で
語られていきます。

情景を語る文章が美しく、気持ちのいい世界。
静かに進んでいく毎日かと思いきや、激動の中に巻き込まれます。

自らに言い聞かせるかのような、、

ちがう生き方があったなどというのは錯覚で、今いるおのれだけがまこと

選んだ以外の生き方があった、とは思わぬこと。

という科白が身に沁みます。

ココナツ好き

GW中の代々木公園。
久しぶりの代々木公園イベント、カンボジアフェスティバル。

こじんまりとしたイベントですが、好天もあり、賑やかです。

子どもに人気のカンボジアの民族楽器演奏コーナー。

強い日差しに美味しいビール。

不思議な串焼き。
3つの卵が串刺しです。

割ってみるとこんな感じ。

ゆで卵ではなく、だし巻き卵とかまぼこのような味。

この緑色のお菓子は、

緑の透けたもちもちの皮の中に、
黄色いココナツ餡の入ったスイーツ。
甘すぎず、ココナツ好きにはたまりません。

丁度読んでいた、カンボジアがちょっと出てくる本。

分かりやすいエンタメ小説。
気軽に読めます。

絶滅系

クニマス、と言えばさかなクン、というあいまいな記憶しかなかったのですが、
クニマスがいかに特異な魚なのか、その発見に至るプロセス、また過去の歴史、
そして発見後の保全に至るまでを詳しく語った本です。

日本一深い田沢湖、そこに陸封されたベニザケが独自に進化し、深場で産卵する
ようになったクニマス。その行動に興味を持った著者が、サンプルを集め、
DNA解析により、田沢湖で絶滅したクニマスを発見していきます。
外見だけでは区別がつかないため、地道な作業の積み重ねの上にようやく
クニマスと認められる長い道のりです。

西湖で生き延びていたクニマスをどうやって保護していくのか。
単に保護を説くのではなく、そこで生活している人との共存の視点から
語られるので説得力があります。

田沢湖に返すことができる日が来るのか、そしてそれをやるべきなのか、
考えさせられます。

こちらは、絶滅動物でも超有名なドードー。
不思議な国にアリスにも登場し、ドラえもんにも出てくるドードー。
(ポケモンのドードーの名前にもなっていますそのドードーが江戸時代の日本にも来ていた、という事実から、世界の博物館に残ったドードーの標本を訪ね、そしてモーリシャスにドードーの発掘に参加し、ドードーはどんな鳥だったのか、ということに迫っていく本です。

ドードーの美しい図版も多くあり楽しめます。

桁外れの苦しみ

19世紀後半、ダブリンで軍人の子として生まれたロジャー・ケイスメント。
彼のスケールの大きな人生を描いた500頁を超える大作です。

植民地化が現地の人の生活向上のため、ということを信じてアフリカに渡ったものの、
外交官として、コンゴの苛酷な現実、虐待と収奪、植民地化の現実に向き合った主人公。
コンゴの現状を告発し、英国で外交官として評価され、今後は南米、ペルーへ。
ここでも同じような植民地の現状に出会います。
ペルーでも人々を救うべく、事実の調査を行っていくときに、祖国のアイルランド
も植民地化されていることに気づき、アイルランドの独立を目指します。
ドン・キホーテのように空回りしながら。

物語は、主人公が英国の監獄に入れられたシーンと、過去のシーンが交互に
進められていきます。

植民地の驚くべき、狂気の世界。それに抗い続ける主人公の姿は
魅力的な文章とともに、胸を打ちます。

アフリカ、あの残虐だがあまりに美しく、桁外れの苦しみに満ちた大陸はまた自由の地でもあった。
人間が不正な扱いを受け虐待をされていたかもしれないが、他方自分たちの情熱、空想、欲望、本能、夢を、大英帝国では快楽を圧殺してしまう自制心も先入観もなしに、表に出すことができた。


バーブル

アジアを徒歩で横断しようと決意した著者が、タリバン崩壊直後の
アフガニスタンのヘラートからカブールを横断する旅行記。

英国陸軍から外交官になった著者。タフな肉体と精神力に加え、
現地の文化にも詳しく、語学も堪能。
旅の途中で犬連れになって、後半はバーブルと名付けた犬とともに
雪の中を、川に落ちたり、石を投げられりしながら歩いていきます。

一緒に歩く、歯がなく、耳も切り落とされたマスチフ犬のバーブル。
バーミヤンまで辿り着き、弱ってきたバーブルを先に車でカブールまで
送り、英国に一緒に戻ろうとする著者。
著者のバーブルに対する愛情が感じられます。

荒涼とした、地の果て。
厳しい自然と、戦争により貧困に苦しむ人々。
その中でひたすら歩いていきます。

戦争がなくなれば、一度歩いてみたい光景。

本にはなっていない、イラン、パキスタン、インド、ネパールの
16か月踏破の旅行記も読みたくなります。

ヘイル・メアリー

フットボールファンにはお馴染みのヘイル・メアリー。
一か八かの、エンドゾーンへ向けたTDを狙った超ロングパス。
アヴェマリア、という意味のヘイル・メアリーの名を冠した
プロジェクトが題名のSF小説。


内容は一切知らずに読むのが正解。

客観的でユーモアのある主人公の独白で語られる、
驚く胸が熱くなる物語。

幸せな読書の時間です。