川上健一の8つの恋愛短編集。舞台は全国8ヶ所のおまつりです。
五所川原のたちねぶた、刈和野の大綱引き、沖縄のエイサー、岐阜の郡上踊り、おわら風の盆、浅草酉の市、あきの蛍能、会陽裸祭り
祭りの日に起こる夢のような出来事、主人公達は祭りの日に再会します。昔想っていた人に、分かれた父親に。こだわっていた想いが心地よくほぐれていく、そんな小説集です。美しく描かれたまつりに行ってみたくなります。
「渾身」(相撲)、「ナイン」(野球)のスポーツものも心温まる小説でしたが、これも読んだ後に暖かくなります。
米朝の弟子、桂米二の上方落語紹介。
お馴染み18番の内容と、それにまつわる米朝の弟子時代のエピーソードです。師匠である米朝のエピソードが堪りません。
百年目、初天神、牛ほめ、千両みかん、くしゃみ講釈、猫の忠信、崇徳院、饅頭こわい、つぼ算、道具屋、宿屋仇、まめだ、代書、質屋蔵、かわり目、子ほめ、口入屋、たちぎれ線香
読んでいると、聴きたくなりますね、落語。やっぱり一番好きなのは百年目。たちぎれ線香と並ぶ大ネタです。賑やかで華もあって、ほろりとさせる名作です。